フリーペーパーの音楽担当からスタート
そして、現在の美容エディターへ!
The Day Spa (以下TDS):現在美容エディターとして、多くの雑誌などでご活躍されていらっしゃいますが、どのようなきっかけからこのお仕事をスタートされたのですか?
鵜飼さん(以下敬称略):ず〜っとさかのぼってしまうと大学生の頃の話になるのですが…。
当時、京都には老舗のフリーペーパーがあって、そこで学生ボランティアスタッフとして働いていました。その時は、なんと音楽担当!周囲には、音楽好きで大手のレコード会社に就職した先輩もたくさんいて、私自身もTSUTAYAでバイトに励み、バイトに入る日には必ずCDを買って帰るような生活を送っていました。当時はアングラとか、アシッドジャズやソフトロック、ボサノバなどを聴いていました。大好きなクラブもあったから毎週末通っていたし。
そして音楽担当として、レコード会社に行ってはこれから売り出す新人アーティストの取材をしたり・・・。その時に、「いろいろな人にも会えるし、取材って楽しいな!」と思ったんです。取材した内容を文字に起こして、その取材した時の感動を人に伝える・・・ただの自己満足に終わらず、ちゃんとアウトプットできることがすばらしいな、と。
また私が自費で作成していたフリーペーパーも音楽関連の内容で、もともと、とても好きなアーティストがメジャーデビューする時に4万部刷ったんです!確か、デザインと印刷費合わせて15万円位でした。三つ折りタイプにしたのですが、この三つ折りも業者に頼むとお金がかかるので、家族総動員で!ごはんを食べた後、お菓子を食べながら、親も弟たちもわけのわからないまま手伝ってくれました。
こうして出来上がったフリーペーパーを全国で配っていたんです。もちろん、京都がベースなのですが、京都のクラブや映画館はもちろん、大阪で人が集まるようなクラブなど、主要スポットやレコード会社、東京では知り合いの方のお店などに置いてもらったりしていました。
ツテがないところにも、突撃したり電話して、置いてもらえるようお願いに回ったり。
そしてそのアーティストがめでたくメジャーデビューしタワーレコードにCDが並んだ時には、
視聴コーナーのすぐ横に自費作成のフリーペーパーを置いてもらえました。まぁ今考えると、めちゃくちゃ自己満足だったかもしれませんね!実は人様に見せられるような、そんな代物ではなかったかも?(笑)
たまたまそのフリーペーパーを目にした、当時芸能事務所で働いていた方が、「こんなおもしろいこと、誰がやっているんだろう?」と興味を持ってくれたんですね。作成元をたどってみたら、たまたまその方の妹の同級生、偶然にも私だったんです。
27歳で「MAQUIA」の美容エディターとしてデビュー
収入のすべてを美容につぎ込んでいました
そして「こんなおもしろいことがしたいなら東京に来ない?」と声をかけてくれたんです。
実はその時、私は関西で就職も決まっていたのですが、思い切って東京に行くことにしたんです。そしてまずは芸能事務所で、事務兼マーケティングとして働き始めました。
東京に出たものの、自分自身、何がしたいのかという明確なビジョンがなかったのですが、その芸能事務所では、マスコミ業界を俯瞰で見ることができる絶好の場所だったんです。TVも雑誌の仕事もあるし、マスコミのしくみを勉強できました。
そして1年半位働いた後、またその面倒みのいいお兄さんから、制作会社が人を探していると紹介され転職したんです。
その制作会社では、最初、映画やジュエリーなどのパンフレット制作含め、広告の仕事をしていました。そして時代の流れだったのか、次第に美容関係の仕事が多くなってきました。それまでは、ライフスタイルとかカルチャー、ジュエリーが多かったのですが、化粧品メーカーの仕事が増えてきて…。そのうち、ほとんどが美容関係の仕事になりました。
広告の仕事もおもしろかったのですが、1から自分のやりたいこと、伝えたいことを表現したいと思い始め、それから「こういうことがしたい!!」と周囲の人に言いまわったんです。そうしているうちに、集英社の美容誌「MAQUIA」の創刊に携わっていた方を紹介していただき、そこから美容エディターとしてのお仕事がスタートしました。
その時ちょうど27歳。「MAQUIA」のターゲット層も28歳!
もちろん美容は好きだったし興味はあったのですが、周りはプロ中のプロ。だからまず最初に、各化粧品ブランドの特徴や得意分野など基本から猛勉強。先輩にも教えてもらいながら、本当に1からスタートして、どっぷり美容につかっていきました。
その頃は、月2回位、デパートの化粧品カウンターに行っていろいろチェックして化粧品につぎ込んでいました。もちろん仕事がら、記事にするためにお試しさせていただくことも多いのですが、限定コスメやクリスマスコフレのようなキット類もたくさん買っていましたね。自腹で購入して試して、と意欲的でした。
また、エステやマッサージ、精神的にみたされるスパに興味を持ち始めたのもその頃でした。すごくはまってしまって、週1~2回は通っていました!
人から「あそこはいいよ!」って薦められればすぐに行ってみたし、フットワーク軽くいろいろ試していました。週1~2回は誰かにもまれていたんですね!(笑)
今思えば、収入はすべて美容につぎ込んでいました。
海外でもラグジュアリーなホテルに泊まって、もちろん気になるスパも受けて・・・
あの当時は、美容機器とか健康器具まで買ったりして、とにかくなんでも、興味があるものは全て試したかったんですね。
あの時もっと貯金しておけばよかったかな?って思うくらい。(笑)
もちろん数々の失敗もあったのですが、それでもいろいろ試してきたからこそ、今の自分があるのかな?と思っています。若い頃はどんどん浪費してもいいんじゃないかな?
そうしないと本当のモノの良さ、比較ができないんじゃないかと・・・。そういうアクションは、確実にのちのちにつながっていくものだと思うんです。
今は「食べログ」などネットでレビューを見て評価ができる、という時代ですが、やっぱり実際に自分でお店に行ってみないと本当のところはわからない。自分の目で確かめないことには、リアルなコメントはできないのではないでしょうか。
毎日お肌と対話し思いを込めながらスキンケアしています
TDS:なるほど、だから鵜飼さんのコメントには説得力があるんですね!そしてそんな鵜飼さんにお目にかかるたび、その透明感のあるお肌にうっとりみとれてしまうのですが、実は鵜飼さんにはかわいいお子様いらっしゃるのですよね!子育てとお仕事で毎日お忙しくされていると思うのですが、その美しい素肌を保つための秘訣や日々のスキンケア方法、またライフスタイル(お食事や生活習慣など)で気をつけていらっしゃることがありましたらぜひ教えてください。
鵜飼:スキンケアですが、やはりちゃんと“手をかけている”人というのは、周りから見ても、「あっこの人、ちゃんとお肌のケアをしているな!」ってわかっちゃいませんか?
メイクしてなくてスッピンでも、傍から見てもやっぱりわかってしまう、肌に現れてしまうと思うんです。そんなことも実感しているので、毎日お肌と対話しながら、そしてお肌に思いを込めながらスキンケアしています。もちろん、やみくもに時間をかければいいってことでは決してないのですが、お肌をそれこそ慈しむような気持ちでケアしていますね。
あとやはり食事、インナーケアにも気をつけています!
実は子供が生まれてからなのですが、基本、1日3食、しっかりいただくようになりました。
それまでは、朝は適当になんでもいいや~、疲れてるから食べなくてもいいや~、朝食べたら昼は抜いちゃってもいいや~、なんて、そんな感じだったんですね。でも食べないと取材でしゃべるパワーも出ないから食事をおやつですませてしまったり、夜も変な遅い時間帯に食べてしまったり・・・。でもそんな食生活をしているくせに、太ったら困る! なんて、今思えばびっくりするような食生活でした。
それが朝・昼・晩と3食をしっかりいただくようになったら、特に何もしなくても太らなくなりました。
やはり、決まった時間に食べるということが大事なんですね!
今は、朝は7時、昼は12時~13時位、そして夜は18時~19時位の時間帯で3食、きっちりいただいています。そして21時には子供と一緒に就寝! この時間に寝ると言うと、びっくりされます。
でもその21時就寝ということも、実は私の場合は大きなポイントかもしれません。
というのは、私の実家では、おやつは1日3回、という習慣。夜ごはんの後、21時のおやつタイムまであったんです。それは大人になってからも習慣化していました。
でも今では、21時に就寝なので、夜のおやつを食べる間もなく寝てしまう。だから朝起きたらちゃんとお腹が空いているし、もちろん食べ過ぎてしまって胃がもたれることもないし、併せて間食も減ってダイエットの必要がなくなったのかもしれませんね。
胃腸のために、有機栽培の青汁を10年。そして美肌のためにはゴマとお酢
食べるもので言うと、実際10年位続いているのは、青汁。愛飲している「マスダのグリーンジュース」は、デパ地下に置いてある青汁を全部試飲した結果、飲みやすくてとってもおいしかったんです。有機栽培の青汁なのですが、冷凍したまま自宅に届くので解凍して飲むんですよ。りんごジュースで割ったりとか、いろいろ楽しんでいただいています。この青汁に出会うまでは、中野の青汁スタンドなどで飲んでいたくらい!(笑)自宅でいただくようになってから、気になっていた便秘もすっきり解消されて、胃もすっきりするので、定期購入しています。本当に今ではもう欠かせない青汁!!朝1回、家族全員でいただいています。
あとお肌のために気をつけて取っている食材は、「ゴマ」。
ゴマは適度な油分があって、うるおいと弾力には欠かせない食材なので、意識的にとっています。
そうそう、美味しくて香り高い「フカホリ」というところのゴマを見つけたので、今はそれにハマっているんですよ。食パンにゴマとバター、はちみつをプラスしてもおいしいですよ。
あとはお酢もそう。娘がお酢のお料理が好きということから「ミツカン」のお酢のレシピ本を買って、バリエーションを増やしています。トマトでもセロリでもパプリカでもなんでもつけちゃう!ピクルス作りにもハマっているんですよ。
肌の上からいろいろな化粧品を塗って手をかければ、もちろん、ある程度の肌にはなるかと思うのですが、やはり体の内側から、食生活がもたらすインナーケアは大事だと思っています。
筋肉もそう!垂れてきた~って言って上から何しても、土台の筋肉がゆるんでいたらどうしようもない。だから顔の筋肉ストレッチもするようになりました。土台のケア、ですね!
気になる法令線を口の内側からふくらませるようにストレッチしたり、車に乗っている時とかちょっとした時間、気付いた時に心がけてやっています。
鵜飼香子さん プロフィール
美容エディター
雑誌「MAQUIA」や「marisol」、「婦人公論」、「SWEET」などで記事を執筆したり、美容法を伝授するほか、広告でも活躍中。仕事と子育てを両立する美容法は常に模索しつつアップデート。東西問わず、“本当に効く”コスメ発掘とスパ巡りが趣味。